坂東 雅 演目ご紹介
春興鏡獅子
更新日: 2004.11.24 |
9代目団十郎が明治26年に初演して以来、これまで幾度となく演じられてきた、新歌舞伎十八番の一つ。前シテの女小姓・弥生の娘の踊りから、後シテの勇壮な獅子の品格ある狂いへと、対照的な踊りを一人の踊り手が勤める。
前半の女踊りには、手踊り、袱紗さばき、二枚扇などの振りの後、獅子頭に操られていく様などの見所があり、中間の胡蝶の可愛い踊りが終わると、いよいよ後シテの出。威風堂々とした姿、そして狂いとなってからの豪快な毛振りの迫力は本作品の大きな見所となっている。
分金高島田に振袖姿の弥生の舞が始まる。舞は佳境に入り、祭壇の上の獅子頭を手に、いよいよ獅子の舞が始まる。すると、不思議なことに手にした獅子頭が、飛び交う蝶に誘われて思わず知らず動き出すではないか。眠っていた獅子の精が目覚め、弥生が押さえようとしも納まらず、弥生を引きずり込み、蝶を追っていずこへともなく消え失せる。
春風に乗って胡蝶の精
(目々澤 茜・遥) が現れて、ひとしきり牡丹の花に戯れていく。
やがて、あたりに静けさが戻る。荘厳な空気が漂う中、勇壮な獅子の精 (坂東 雅) が現れ、ある時は胡蝶に戯れ、ある時は豪放にたてがみを振り立てて舞い狂う。
弥生、後に獅子の精:坂東 雅
胡蝶:目々澤 茜・遥
本舞踊は坂東 桂先生主催 第14回「花の会」(1995.10.14)にてご披露させていただきました
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