さる6月20日、以前から期待されていた、片頭痛治療薬のトリプタン系製剤、ゾーミッグ(ゾルミトリプタン:アストラゼネカ株式会社)とイミグラン(スマトリプタン:グラクソ・スミスクライン株式会社)が厚生労働省の製造承認を受け、きたる8月中旬の発売を目指して動き出しました。これまで、片頭痛の発作時には旧来からのエルゴタミン製剤を内服で頓用するか、トリプタン系注射剤のイミグラン注を病院・診療所まで来院してもらって注射するしか方法がありませんでしたが、これで治療の選択肢がぐっと増え、自由度がますことになります。
この両薬剤には、治験の際に参加しましたが、実薬・偽薬(プラセボ)を組み合わせた試験でも実薬が当たった患者さんにはかなり有効でした。注射剤も大変に有効ですが、家庭にいるとき発症してしまうため、なかなか来院できない患者さんも多く、たいへん心待ちにされていた薬剤です。これまでいろいろな薬剤の組み合わせでも著効が得られなかった患者さんでもどちらかの薬剤、または双方の薬剤でも片頭痛が抑えられる可能性があります。ただし、「片頭痛まがい」の頭痛には効果がありません。また、心筋梗塞や不整脈をお持ちの患者さんには使用できません。
頭痛があっても市販薬でごまかしておられた方は、一度ご受診の上、それが本当に片頭痛であればこれらの薬剤の治療をお受けになるとよいと思います。今は頭痛と闘う時です!
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