清元 鞍馬獅子
更新日:2005.10.30
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卿の君が義経の形見の薙刀を手に義経の姿を追い求めて鞍馬山のあたりを彷徨っています。そこへ現れるのが獅子舞の支度をした喜三太。卿の君に呼び止められ、乞われるままに「さらば神楽を囃そうか」と獅子舞を始めます。そこに薙刀を振り回してからんでくる卿の君。とっさのことに驚きつつもそれをなだめようとし、さらに亡き主君の奥方の身を守ってあげようとする喜三太。そうこうするうち、狂った卿の君は喜三太の首を絞めようとしてしまいます。卿の君の両手をようやくふりほどき、手を打って気分をそらし、武人としての自分を取り戻す喜三太とひとときながらふと我にかえる卿の君、というところで幕を迎えます。ほのかな男女の色香をただよわせながらの二人の絡み、時にはふざけつつも苦悩する喜三太と悲しみをあらわにできず心乱れる卿の君のコントラストが見所です。
それまでお蔵入りとなっていたこの曲を取り上げ、歌舞伎にかけたのは7代目坂東三津五郎と6代目尾上菊五郎といわれます。本来もっと長く続くストーリーを切りつめ、動きと感情表現の濃い部分だけを抜き出したようです。今回、喜三太を演じることがきまってから、京都の鞍馬寺まで詣でてきました。薙刀と獅子舞の絡みは三奈慧さんと何度も稽古をあわせて磨き上げました。
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