大原女 (おはらめ)
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長唄。二世瀬川如皐作詞、九世杵屋六左右衛門作曲。
初演:文化7年(1810)江戸中村座(三世中村歌右衛門)
『大原女』という物売りの女の踊りと、『国入奴』という奴の踊りがセットになっている作品です。薪(たきぎ)や炭などを頭に乗せた物売りを大原女といい、大名行列のお国入りの時に、毛槍を振って先導をしたのが国入奴です。それらの風俗を取り入れた舞踊です。
幕が開くと、おかめの面を付けた大原女が薪を頭に乗せて登場します。不格好な姿ながらもいじらしい女心を訴える振りがあり、綾竹(あやだけ)という房のついた紅白の棒を使ってリズミカルに踊ります。そしてその扮装から引き抜きをすると奴の姿になります。ここからが『国入奴』です。奴は毛槍を振り、大名行列のお国入りの様子を見せた後、ユーモアのある曲で手踊りをし、最後に再び槍を振って軽快に踊ります。
おかめの面をつけ、鄙びた中にも色っぽい女心をのぞかせて愛嬌たっぷりに踊る大原女の前半と、毛槍を振ってお国入りの勇ましさを見せる後半、それぞれの魅力を存分にお楽しみいただければ幸甚に存じます。
第46回推薦名流舞踊大会(国立劇場・大劇場、主催:東京新聞社、平成22年9月20日)にてご披露いたしました。
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