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2004.09.11 国立大劇場
年に一度の牽牛と織女の逢瀬のときに、カミナリ夫婦の夫婦喧嘩の顛末を流星が身振り手振りで再現するという、コミカルな日本舞踊で、家元の三津五郎先生も十八番となさっておられる一曲です。
中国風の衣装で演じられるこの演目、現在の形になったのは7代目坂東三津五郎先生の時で、それ以前は流星役の役者はふんどし一枚で踊っていたそうです。第1回目は緑、2回目は青の衣装でしたが、今回は現三津五郎家元が歌舞伎座で踊られた際と同じ金色の衣装を用いさせていただきました。というわけで、今回で「流星」は舞台にかけるのが3回目、ようやく自分なりに満足できるものをお見せできたように感じております。雷の夫婦と子雷、婆雷は他流派ではお面などを使って踊り分けますが、坂東流では4種の「ツノ」を付け替えて踊り分けます。
舞台はすべて、雲の上という設定で、七夕の晩の出来事です。天界で年一度の牽牛と織女の逢瀬の場面と言う設定です。
そこへ流星が、「ご注進ご注進」と登場して、頼まれもしないのに雷の夫婦喧嘩の様子を知らせに来ます。雷の夫婦喧嘩をあたかも実況中継するかのように、流星は雷の夫婦と子雷、婆(ババ)雷、計四人の役を踊り分けることになります。まずは亭主雷がひょんなことから地上に落ちて、小唄の師匠に一目惚れ。おかげで鳴らす雷がナヨナヨに。女房雷がそれに気がつき文句を言うと亭主は「いやなら家を出て行け」女房は逆に「あんたは婿養子、出て行くのはあんた」とどなると小雷と婆雷はオロオロ。しまいに婆雷が入れ歯をノドにつかえて大騒ぎ。やがて夜明けが近づき、あっけにとられていた牽牛と織女の前から、流星が空へと戻っていくまでが演じられます。
平成16年度 第40回推薦名流舞踊大会(東京新聞社主催)9月11日昼の部にてご披露いたしました。
入賞は逃しましたが、「藝界新聞」797号(平成14年2月1日付)にて「喜」様より以下のような評をいただきました。有り難うございました。
「夫婦、婆、子供の仕分けが要点となっている。重心の変化で年齢がわかるにはもう一息だが、坂東雅はよく踊り分けた。」
平成12年度 つぼみ会(東京・イイノホール)にてご披露いたしました。
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