吉野山 (よしのやま) 更新日: 2008.06.21 |
「吉野山」は「義経千本桜」の四段目の道行です。歌舞伎舞踊の人気演目であり"道行物"とよばれる作品の代表的演目です。本名題を「道行初音旅(みちゆきはつねのたび)」と言います。"道行"とは、登場人物が目指す目的地までのその道程と様子を描いたもので、古典文学はもちろん、能や狂言、浄瑠璃、歌舞伎などに盛んに用いられています。"道行物"の多くは、恋仲にある男女を主人公としていますが、「吉野山」では静御前と佐藤忠信という主従関係にある人物の道行であるのが特色で、吉野山から川連法眼の館へと向かう様子を舞踊にしています。
舞台は満開の桜が咲き誇る吉野山。そこへ静御前(坂東 三奈慧さん)がやって来て初音の鼓を打ち鳴らすと、佐藤忠信(坂東 雅)の出となります。この忠信、実は狐で、狐を思わせる振りが随所に取り入れられています。忠信と静御前の華やかな踊りから、忠信が源平の合戦の様子を勇壮に見せるなど、見どころの多い舞踊です。
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