初出:2005.01.23
補記:2005.01.26 + 2007.04.07
わが家のメインマシンはいまだに2000年1月(発表日の未明)に購入、すでに5年目となる「古き佳き」G4 cubeです。なんたって不景気ですし、ネット作業(メール・閲覧・HP作成)・デジカメ画像整理と、たまにあるPower Point書類作成ぐらいの作業ではG4 500MHz程度で充分でした。また、市販されているアクセラレータも1.2GHz程度だったため、「速度2倍程度ではスグ高速化にも慣れてしまう」というこれまでの経験則、また、cube用のアクセラレータの一部にはスリープが効かないものがあるとの情報から手を出しかねていました。
昨年末にPower PC7447を搭載したSonnet Encore ST 1.7GHzが発売され、「そろそろやってみるか」と手を出すことにしました。スリープ可能かどうかは何の情報もありませんでしたがまあ、買ってみての相談、ということにしました。購入は昨年3月に同機のスーパードライブを調達したVintage Computerです。注文時にはまだ国内の秋葉館などでの扱いは始まっておりませんでした。また、一緒にしょぼい画像表示(一度純正のRadeon搭載グラボを載せたのですがファンノイズがうるさく最初に搭載されていたRage128に戻してあります)をなんとかするべく、診療室のG4 Quick Silverに載っているFanなしのRadeon 7500 (32MB)を移設する作業を同時に行うことにしました。
注文後数日、Mac miniの発表も済んで数日後に注文したEncore STとQuick Silverに搭載するRadeon 9000が届きました。作業はまず、Quick SilverからのRadeon 7500取り外しとRadeon 9000搭載から。これは難なく終了し、以前に故障のため取り外してあったファン付きRadeon (32MB)からブラケットを外して若干の寸法違いをヤスリで修正して標準AGPカードをcube対応に改修しました。これで標準以外のボードでもがっちり本体に固定が出来ます。診療室のQuick Silverもおこぼれでゲットした128MBのRadeon 9000でVirtual PCが特に速くなりました。
上がcube専用、下がQuick Silver付属ファンなしRadeon 7500のブラケットです
さて、cubeを自宅から診療室に持ち込み、インストール作業開始。ただし、ハードの組み込み前にファームウエアのパッチ作業が必要です。ここで問題発生。Sonnetの英語版説明書には「起動音がするまでプログラマスイッチを押したままにして」と書いてありましたがそのようにするとOpen firmware(テキストベースの本体ROM上のOS)が立ち上がってしまい、パッチのインストールをするプログレスバーが出ません。結局、アップルのサイトで確認したところ、cubeのファームウエアアップデートは「電源ランプが素早く点滅するまでプログラマスイッチを押しておく」ということで、その通りにしたところあっさりプログレスバーを出すことが出来ました。ボタンを放すタイミングの指示間違いなのです。かなり以前、OSXを導入する際にこのファームウエアアップデートを済ませていたため、この記述の間違いをに気付くのが遅れました。実は、このもたつきで貴重な3時間を浪費してしまいました。
これが問題の一文。間違いないですよね。
さて、これでいよいよ解体開始。これまでGAのほか、ハードディスクやスーパードライブの交換などで何度も解体しているため、慣れた作業のはずですが、やはりこれまで触れたことのないマザーボード作業のため緊張の連続(だから自宅の畳の上でなく、診療室まで持ち込んでいるのです)。あにはからんや、詳細な説明書のとおりネジをはずしたものの、マザーボードがはずれません。よく見ると、ボードの奥にあと2本ネジ頭が見えます。これは、実はマザーボードを締め付けるものではなく、単なる「支え」。写真左のようにボード側は穴ではなく欠き取りになっているだけでした。
これがわかっても、ボードはビクともしません。どうやら、プロセッサボードと冷却プレートそのものが巨大な冷却フィンをもつブロックに張り付いてしまっている模様。従って、開け方は写真右のようにプロセッサボードとマザーボードを固定する3本のスプリング付きネジもはずしてからマザーボードをそっと浮かせ、左のネジ部からスライドさせるという荒技となりました。
その後は作業は淡々と進み、ネジ締めなしで仮り組みで通電した際にマザーボードの圧着が弱く一切起動しなかった(上から強く押し込んで解決)ことをのぞけばすんなりとインストールが終わりました。
cubeにファンを載せるとうるさくなるのではと心配していましたが、これも杞憂となりました。マニュアルによれば、底面のメッシュの上に取り付ける冷却ファンはマザーボードだけでなく反対側に取り付けれられているドライブブロック全体を取り外してから装着するようにとのことでしたが、ハードディスクをネジ3本はずして取り付けネジ上方の空間をつくるだけで装着可能でした。ただし、これにはキットに入っているトルクスレンチでは不可能で、柄の長いトルクスドライバーとネジを運ぶ長いピンセットが必要です。この作業で、すでに本体底部にファン固定ステー(ネジ穴まで切られている)が付いていたのを初めて知りました。さらに、電源ボードにはファン用のコネクタまで付いていたこと、また、アップルメニューからシステムスリープをかけるときちんとスリープでき、ファンまで停止することも驚きでした。以前使っていた純正のファン付きRadeonグラボは同様にスリープさせてもファンが回り続けていたことを考えると、「これがcubeの本来的なセットアップなのかな」と感じざるを得ませんでした。いずれにしてもcubeのシリーズが(いいがかりとしか言いようのない)欠陥商品問題であとが続かなかったことが残念です。
マシン起動やPhotoshopの起動がうんと早くなったこと、また、ネット作業時のダウンロードも速くなったことも利点ですが、一番の感動はRadeon 7500の移設によりQuartz Extreme 対応となったためか、iPhotoの動作がキビキビしたことでした。これであと数年はメインマシンとして使えそうです。あと2台のcubeはどうするか?1台はファイルメーカとNAS代わりのサーバですし、もう1台もOS9.2環境のまま受付で院内音楽演奏と患者さんのカルテ頭書き入力だけですのでこんな投資はできません。でも、なんでこの時期に?そりゃそうでしょ、より小さいMac miniより遅くなったらなんか悲しいですから。
【補記1】
1枚目の写真のようにメモリが500MB程度でしょぼい状態だったため、512MBのメモリ(cubeはPC100適用なのですがPC133も使用可能なので安いバルクのPC133-L3)を2枚購入して突っ込んでみました。この133・512×2枚+最初からある100・256MB×1枚で組み込んだところ、立ち上がり、システムプロファイラでもちゃんと認識されているものの、メーラやブラウザを立ち上げるとシステムエラーを起こしました。何回か再起動していたところ、しまいにはMacでは見たこともない「セーフモード」で起動したりメーラを開いたとたんにカーネルパニックを起こすなど、「拒絶反応」バリバリ。Cubeの販売時のコンフィグレーションにはメモリ1.5GBというものもあり、1.25MBで悪いはずはないのですが、まあ、本体が嫌がるのを無理矢理使うわけにもいかず、1枚をもともと使っていた256MB(これもPC133)に戻してやりました。これでメモリスロット3枚分でちょうど1GB。今は何ともなく動いております。まずは、めでたし、めでたし。
余ったもう1枚の512は?ご心配なく。Quick Silverの3枚分のメモリスロットはまだ2枚の512しか入っていなかったため、そちらに挿して総メモリ1.5GB。本当は「2台とも総メモリ1.25GBずつ」を狙っていたのですが。まあ、実力通りのちょうどよい案配となりました。こちらの御利益は、やはりVirtual PCの高速化でした。
【補記2】
このメモリ、2年経ってQuick SilverのCPUアップグレードに際し災いをもたらしました。cubeに2枚刺しでフリーズし、後日2GHzの7448プロセッサを積んだQuick SilverでVirtualPCやiPhotoの多数枚の写真読み込みに際しフリーズし、という「災厄のメモリ」だったわけです。ソフマップのバルク品でしたが、やはり品質が悪かったのでしょう。とりはずしたのですが今後再利用はしないことにします。