Lectures from Memezawa Medical Clinic

蓄膿症(副鼻腔炎)の少量抗生物質長期投与による治療

 以前は、蓄膿症の治療は、穿刺排膿が一般的でした.また、診断には理学的所見のほか、単純X線写真までが一般的でした.最近はCT(コンピュータ断層写真)装置の普及のおかげで診断がより容易となり、鼻炎との鑑別が容易になりました.それとともに、マクロライド系抗生物質の少量長期投与が患者さんに与える侵襲も少なく、多用されるようになってきました.この治療法にCTによる明確な診断と治癒判定を組み合わせると、非常に効率的に治療をすることが出来ます.ここでは、当院で経験した症例をご紹介いたします.なお、この一連の治療には健康保険が適用できます.


 左の治療前のCT画像の赤矢印は副鼻腔炎を起こした右側の上顎洞を示します.反対側も同様ですが、三角形をした空間が膿が充満してグレーに見えます.中央に黒く丸くみえるのは空気です.この患者さんに治療を2ヶ月半行い、再びCTを撮ると三角形の上顎洞は膿のグレーの部分が消失し、空気を示す黒い色しか見えず、治癒が確認されました.


 左のCT画像の赤矢印は同様に副鼻腔炎を起こした左側の上顎洞を示します.三角形をした上顎洞の空間に膿が充満して水平面を示しつつグレーに見えます.反対側の右上顎洞は正常です.この患者さんに治療を2ヶ月行い、再びCTを撮ると三角形の上顎洞は膿のグレーの部分が消失し、治癒が確認されました.


| memezawa.comトップページ | 目々澤醫院のご案内 | memezawa Med-Press |

Copyright (c) Hajime Memezawa, 1996