病気とお風呂のカンケイ

*これは、院内配布されたものを掲載しています

Vol. 001

2001.12.17発行

編集人:目々澤肇

禁無断転載

 お風呂って、入ると体が温まり、とても気持ちがいいですね。でも、時と場合によっては、かえって健康を害してしまうこともあります。ことに、カゼをひいたり、中耳炎や蓄膿症などの病気にかかったときのお風呂は要注意です。

●なぜお風呂が悪いの?
 カゼは、のどを中心とした鼻、気管などの炎症です。また、中耳炎や蓄膿症は鼻・耳などの炎症だけでなく、狭い空間の中にウミや出血成分がたまっています。このような部分がお風呂に入って温められ、血流がよくなってしまうとどうなるでしょう。炎症の部分はさらに血流が増すキため、痛みが増強し、腫れが長引いてしまいます。また、ウミや出血がたまっている場所は内部の圧力が高くなり、せっかくお薬や処置によってよくなってきた痛みがぶりかえしてしまいます。このため、カゼや中耳炎・蓄膿症の時はお風呂にはいってはいけないのです。

●どうやって体をきれいにするの?
 病院に入院すると、たいていの場合お風呂に入れなくなります。病気がよくなってはじめて「入浴可」の指示がでてからでないとお風呂のカギが渡されません。これは、患者さんの無用な消耗をさけるためで、それまでは看護婦さんがベッドの上で体を蒸しタオルで拭く、「全身清拭」が行われます。でも、病気がうんと重傷だと顔や陰部などを拭くだけの「部分清拭」しかやってもらえないこともあります。ご自宅でも同様で、カゼや中耳炎・蓄膿症の時は体を蒸しタオルで拭く程度にとどめていただきたいと思います。少しだけ状態がよくなってきたら、シャワーで陰部をきれいにしてからお布団に戻してあげてください。カゼがよくなれば、いつでもどれだけでも自由にお風呂に入って結構です。

●中耳炎・蓄膿症の時は特別です
 中耳炎と蓄膿症には特別な注意が必要です。カゼよりも直るのに時間がかかり、長い期間お風呂の制限が必要です。前にも書いたように、ウミや出血がたまっている状態の時はお風呂の許可はだせません。目々澤醫院では、次のようなステップでお風呂のリハビリテーションを進めています。
(1) 全面不許可(蒸しタオルで我慢)
(2) 陰部のシャワーのみ可
(3) シャワーのみ可(洗髪含む)
(4) ぬるめのお風呂に短時間
(5) 全面解禁


●プールはもっと危険です
 お子さんを水泳に通わせている親御さんの気持ちはよくわかりますが、中耳炎・蓄膿症にかかったあとはプールは禁物です。病気が直ったことが確認されてから、約3ヶ月カゼもひかずに鼻汁も出さすに過ごすことができたら、プールを再開しても大丈夫です。それまで、じっと我慢揩オないと、お子さんは簡単に中耳炎・蓄膿症を繰り返してしまいます。それまでの期間、鼻をかむ訓練を続けてください。お風呂・プールは元気になってから。


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