花粉症の最新情報2002

*これは、院内配布されたものを掲載しています

Vol. 004

2002.03.07発行

編集人:目々澤肇

禁無断転載

 いま、花粉症がまっさかりです。特に2月の最後の週から花粉の飛ぶ量がどっと増えたようです。今の季節の花粉症は、スギやヒノキなどの花粉が起こす、アレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎です。たまに、のどのイガイガした感じのみを生じるアレルギー性咽頭炎を生じる人もいます。また、カゼに進展する方も多いようです。


●花粉症の予防注射?
 きっとテレビ番組で紹介されたのだと思いますが、「花粉症の予防注射はありませんか?」という問い合わせが増えています。これは、「ケナコルト」という、持続性のあるステロイドホルモン剤を筋肉注射するもので、当院ではお勧めしてはおりません。注射部位にしこりを残したり、女性の生理などに悪影響を及ぼすことがあり、何よりも顔のむくみなど、ステロイドの副作用を考える必要があります。ただし、症状のうんと強い患者さんにはもう少し副作用が少なく持続のやや短い別のステロイドホルモン剤の注射を行うことがあります。


●レーザー手術もあります
 日本医科大学(千駄木)の耳鼻咽喉科では、アレルギー性鼻炎の外科的な治療として、左右の鼻の粘膜表面の一部をレーザーで焼灼する方法を用いており、良好な成績をあげています。処置自体は外来で行える程度で入院の必要はなく、毎年ひどい症状をおこしている人は考えてもよいのではないかと思います。ご希望の方には当院から担当医の大久保助教授に直接ご紹介をすることができます。


●眠気の少ない薬があります
 昨年から使えるようになった、「アレグラ」という抗アレルギー剤は、これまで同種の薬につきものだった「眠気」が少ないことが売り物になっています。先に発売されていた米国では、路線運行の航空機パイロットにも服用が許可されているということです。しかし、現在主流の抗アレルギー剤が多少の眠気はくるものの服用が1日1回でよいのに対し、この薬剤は持続時間が短く1日2回の服用が必要といわれています。ただし、お薬の効き目と持続時間は個人差があるため、当院でこのお薬をお出しするときには「夕食後のみ」と指示することもあります。


●点鼻薬はどんなものがありますか?
 点鼻薬には、(1)抗アレルギー剤、(2)ステロイドホルモン剤、(3)血管収縮剤などがあり、それぞれの患者さんの具合を拝見して選んでいます。院長自身もひどい花粉症をもっているため、いろいろ試していますが、ステロイドホルモン剤の粉状の点鼻薬「リノコート」が一番吸入時の違和感がなく、効果も安定していました。しかし、吸入時の手間がかかることや個人との相性などから従来からの「フルナーゼ、ナイスピー、アルロイヤーネーザル」などの液体点鼻薬を選ぶこともあります。血管収縮薬は、処置に使うお薬を小分けにするもので、ひどい症状に効果がありますが、連用すると鼻粘膜が肥厚することや過量使用で動悸をおこすこともあり、指示された回数を守っていただく必要があります。


●毎日の対策と今後のための検査は?
 規則正しい生活を心がけ睡眠を充分に取り、外出後は花粉を洗い落とすようにしましょう。顔を洗うだけで何とかなる日もあるはずです。花粉症を引き起こすアレルゲン(アレルギーの原因物質)も血液検査で調べることが可能です。症状が室内でも生じる方などは、一度ご相談下さい。


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