ドクター訪問

■目々澤醫院

   
 

東京都江戸川区北小岩4-5-8

TEL 03-3657-5470 FAX 03-3672-4114

 
 

対談:院長 医学博士 目々澤 肇

   ゲ ス ト   藤木 悠(俳優)

 
     

相談しやすい雰囲気と医療の連携で地域の急性期医療の充実を目指す

藤木 目々澤さんとは大変珍しい名字ですが、代々お医者様の家系なのですか。

目々澤 伊達政宗から名前を頂いたと聞いています。軍医をしていた祖父が昭和8年に医院を開業して私で三代目です。

藤木 幼少の頃から医師を目指していたのですか。

目々澤 実は私は5歳の時に当時は難病と言われた血液疾患にかかり、父に命を救われました。その恩返しの気持ちもあって医師の道を選んだのです。祖父母ともに脳卒中で倒れたことから脳卒中を中心とする神経内科を専攻し、スウェーデンに留学後も脳卒中の研究を続けました。

藤木 脳卒中の治療はどんどん進んでいるのでしょうね。

目々澤 欧米ではストロークケアユニットという脳卒中の急性期に対処する体制が確立しています。脳卒中というのは病気が始まった時点ですべての症状が出ているとは限りません。症状が軽くても重くても、とにかく1〜2日は様子を見る必要があって、急性期の治療というのが一番大切なのです。私は帰国した後、日本医大病院へ戻り脳卒中の臨床に携わり、さらに千葉の日本医大北総病院で脳外科と神経内科が協力するストロークケアユニットをオープンさせました(注:現・脳神経センター)。その後、地元へ戻り昨年の11月に父が他界してから院長を務めています。

藤木 脳卒中は後遺症が残るのが怖い病気だというイメージを持っていますが。

目々澤 確かに後遺症は懸念されるでしょう。直った後に最小限の障害で済むようにするのが脳卒中の治療だと考えていますが、そのためにも手足に力が入りにくい、しゃべれないといった初期の症状を見逃さないことが非常に大切です。どんな症状に気をつけるべきか示したポスターを掲示するなど、啓蒙活動に努めると共に、些細な症状であっても相談していただけるようなファミリードクターを目指しています。当院ではCTを設置していますからまずは迅速に検査を行います。もちろんCTでは変化が出ない場合もありますが、専門医の経験上、危ない様子なのか様子をみていいものなのか、きちんとした判断ができると自負しています。

藤木 地域の医院では大病院との連携も大切だとお聞きしましたが。

目々澤 その通りです。緊急の患者さんをいつでも受け入れてもらえて、しかもこちらの思った通りの治療をしてもらえる病院との連携を深めているところです。

藤木 高齢化社会ですから、ホームドクターの役割も大きくなっているのでは。

目々澤 ええ、地元の医院としては、まず患者さんが来院しやすくなければいけないでしょう。当院では日常の血液検査でもデータの写しを患者さんにお渡ししています。悪い数値には赤線を引いて「ここを治しましょう」と注意を促し、よい数値の箇所にはOKなどと書いておくと、とても喜んでいただけるのですよ。そうやって患者さんとの良い関係をつくっていきたいと考えています。ホームドクターとしてのもう一つの役目が予防です。脳卒中には病気になる前の段階として、症状のない脳梗塞:無症候性脳梗塞というのがあります。これに対して治療をしなくてもいいという意見もありますが、私は経過観察をして小さな梗塞が増えてくる場合には本番の脳梗塞がおきないよう血液をさらさらにするお薬を処方しています。

そして患者さんの適切な振り分けが私たちのようなホームドクターの仕事でしょう。頭に関しては私の経験や知識で対処できますが、例えば心筋梗塞や呼吸器の難しい症状などは他の専門医師の意見を仰がなければなりません。そういう際は紹介状を渡して、診察日も決めて専門病院を受診してもらっています。これまで800枚近くの紹介状を書いているでしょうか。

藤木 病診連携が整っていると患者さんも安心でしょう。

目々澤 開業医の先生たちの中には大病院に紹介状を持たせるとその患者さんが戻ってこないと危惧される人もいるようですが、紹介先の医師と私の間で互いの顔が浮かぶような信頼関係をつくっておけば、的確な検査を終えたあと、患者さんはこちらに戻ってこられます。開業医同士でも専門分野がありますから、内視鏡の検査をお願いしたり、逆に頭の検査を当院で行ったりと、患者さんの行き来も活発です。

藤木 院長のような医師が増えて欲しいものですね。

目々澤 スタッフも明るく仕事をこなしてくれ、私が患者さんに説明していることもよく聞いてくれていますから安心です。私が診察中に患者さんに説明しそこねたことがあってもちゃんとスタッフがおぎなってくれています。今後も急性期の患者さんに対してきちんとした対応を心がけ、地域医療の連携をさらに強化していきたいと思っています。

藤木 地域医療へのご貢献をお願いします。

↑診療所外観

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「国際グラフ」2001年5月号より

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