目々澤醫院 Daily News & Comments

 

バックナンバー

Jan/Feb 2003

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2003.02.28(金)

忙しくも短い2月が終わりました。さしものインフルエンザの流行も一段落し、今週1週間中のインフルエンザ患者さんは3名のみ、いずれもB型でした。それでも、インフルエンザを疑って抗原反応検査を行った症例は10例近くあり、今さらながらに検出キットのありがたみを味わうことになりました
先日所用があり伊勢原まで出かけましたが、花粉の量がただならず、鼻水・くしゃみ・流涙におそわれました。帰路、新宿あたりで鼻づまりがとれた時は正直ほっとしました。聞けば、丹沢の杉林ではかなりの量の花粉が飛んでいるとのこと。これからはきちんと服薬せねば(患者さんには服薬を勧めながらも自分は「面倒」と飲まずにいたのは自業自得)。

江戸川区医師会の学術部主催の来年度より施行される学校保健における結核検診の講習会がありました。再興伝染病として結核がクローズアップされている中で、小学校1年生に対するツベルクリン反応と陰性者へのBCG接種が中止されるのは納得がいかないのはやまやまです。しかし、実際に施行される以上、学校医として、あるいは臨床医として的確に対応しなければなりません。講習の要点としては、(1)これまでのツベルクリン反応-BCG接種の流れは乳幼児へのBCG接種の保管(うち漏れた分をおぎなう)程度の意味しかなかったこと、(2)新体制のもとでは、問診表をもとに「長引くセキ」を有する児童につき、学校医が結核検診を通して「カゼ等によるセキ・喘息によるセキ」なのか「それ以外の要件によるセキ」なのかを診断するだけでよいことなどが説明されました。諸外国でも、同様の「BCGは生涯で1回が原則」となっているとのことです。

今月の診療が終わったため、レセプトチェック作業が始まりました。今夜はチェックシートの打ち出しで一段落。明日以降、病名欄の整理を行い、レセプトをプリントアウトして目視でチェックをかけます。あと数日、しんどい晩が続きます。
ひと月前に来院患者さん用の駐車場の車止めがコンクリートの床から剥がれてしまっていました。昨日ようやくコンクリート用接着剤を入手できたので明日いよいよ修理にかかります。雨が降らないことを祈っているのですが 。

2003.02.19(水)

成田赤十字病院で開かれた、「第1回北総頭痛研究会」に参加してきました。同院神経内科の片山薫先生と県立佐原病院脳神経外科の伊勢博先生のご発表がありました。片山先生の演題の中で、「頭痛診断は問診で90%きまる」「画像診断の必要性は高くない」とのコメントがあり、ご発表のあとで質問をさせて頂いたところ、実は「頭痛の患者さんは初診時にはほぼ全例画像診断を行っています」とのお答えをいただき、安心いたしました。実は、別の頭痛の会合で、「頭痛患者さんへの画像診断の幅広い応用は医療資源の無駄遣いである」とのご意見の「頭痛の専門科」がおられ、ちょっと議論になったことがありました。小生の見解は、やはり頭痛性疾患の初診時には未破裂脳動脈瘤や脳腫瘍の見逃しを防ぐのに画像診断(CT・MRIなど)は重要だと考えています。

座長の労をとられた日本医科大学内科学付属千葉北総病院脳神経センターの小林先生、お疲れ様でした。

2003.02.17(月)

どうやらインフルエンザの患者さんも一段落したようで、一安心。かわりに、12月に流行っていた「おなかにくるカゼ」が増えています。
本日は、 江戸川病院循環器科 の症例検討会におじゃましてきました。提示された2例目が、当院からご紹介したWPW+虚血性心疾患だったのにはびっくり。カテーテルアブレーション(心臓内の伝導路を焼灼する手技)を2回、ステント留置(細くなった冠動脈を広げる手技)を1回の、計3回も心臓カテーテルを実施して頂いたようです。うーん、そんなにお手間をかけていただいていたのかとさらにびっくり。患者さんご自身はそんなに大変なことのように感じておられなかったのを思い出し、もう一度感心しました。

Classic HP」のトップ写真を更新しました。ご覧下さい。また、ぶら下がっていた昨年度10〜12月分をバックナンバーに移しました。おかげで今月分はテキストだけになってしまいました。

2003.02.13(木)

本日は、内耳性めまいの患者さんがなんと5名も来られました。1日にこれだけ集まるのは当院では珍しいことです。

当院周囲のインフルエンザの患者さんの数もどうやら峠を越したような印象がありますが、油断は禁物。あと数日の動向を見ないと確定的なことは言えません。

2003.02.07(金)

エコノミークラス症候群 」は、長時間の飛行機搭乗などの一定姿勢を続けた時に生じる、深部静脈血栓症により、血栓が心臓の右心室を介し肺動脈に詰まって肺梗塞を起こすことが知られています。この病気によりサッカー日本代表の高原選手が一時安静加療を余儀なくされたことでも有名です。ところで、このような静脈系の血栓が卵円孔(胎児循環を司る静脈-動脈系の短絡路で、通常は出生後に閉じるはず)が開存したままだと(肺梗塞だけでなく)脳梗塞を生じる原因のひとつになることが知られています。これら二つのメカニズムを組み合わせた症例が3例、ドイツの文献で紹介されています。つまり、「エコノミークラス症候群」により、「脳梗塞(脳塞栓)」を生じた症例であり、その3例すべてに卵円孔開存が認められ、うち1例が肺梗塞を合併していたとのことです。
日本医科大学北総病院の脳神経センター勤務時代にも、同様の症例を経験しています。肺梗塞も命にかかわる場合が多い病気ですが、脳梗塞も同様です。このような病態は飛行機の搭乗だけでなく、バスや列車での移動や根を詰めたオフィスワークなどでも出現する可能性があり、普段から充分な予防策を立てる必要があります

2003.02.04(火)

先日新聞紙上でにぎわった「アルツハイマー病とアルコールの強さ」の話。患者さんから、「私もボケないようにこれからがんがんお酒飲みますよ」と言われました。そうじゃないんです。この、日本医科大学老人病研究所の発表は、「アルコールに強い人は弱い人よりアルツハイマー病になりにくい」ということなのです。これからご老人がどんどんお酒をのんで肝臓を鍛えようとしても、よけいボケを作る可能性(ウェルニッケ脳症など)を増やします。ご注意下さい。

1月末よりいくつかの神経疾患からみの原因遺伝子解明が報道されています。ちょっと引用を。

インフルエンザの学校保健法による出席停止の期間は「解熱して2日を経過するまで」なのですが、さる患者さんの私立の高校では、「直っても1週間は出席停止」なのだそうです。普通の小学校や保育園もそうしてくれればインフルエンザの流行など、ずっと早く治まるのになあ、とつくずく考えさせられてしまいました。でも、もしホントにそうなったらパートで勤務しているお母さんたちの悲鳴が聞こえそうですね。

2003.01.27(月)

インフルエンザがまだ猛威をふるっています。「タミフル」や「リレンザ」の不足・仕入れておいた検査薬の消費など、いろいろ問題が多い状況は変わりありません。毎日ない知恵を絞って診療しています。幸い、先週より大発生した患者さんたちがどんどん回復し、特に学童・園児で再出席に必要になる「治癒証明」を何枚も発行するようになりました。中には「解熱して2日後」のきまりが待てず、見切りで出席させてしまった親御さんもあるようですが、「まあ、それだけ元気なら」と、(一応忠告はするものの)書類は作成してあげるようにしています。

2003.01.21(火)

あいかわらずインフルエンザの患者さんが数多く来院されました。また、通常の高血圧などでかかりつけの方々もカゼ気味だった方が多い一日でした。

昨年12月25日に、日本脳循環代謝学会もホームページを開設していました。内容は、まだこれから、というところです。

2003.01.18(土)
昨17日より、インフルエンザの患者さんがどっと増えました。抗インフルエンザウイルス薬「タミフル」の供給不足が生じ、さらに同種の「リレンザ」も市場に不足気味ということで、投薬の選択に苦慮しています。ただし、旧来からある「シンメトレル」は、A型インフルエンザにしか有効でありませんが、幸いなことに現在流行中のインフルエンザは大半がA型のため、こちらを選択すれば何とかなるようです。しかし、当院の患者さんでもB型インフルエンザが検出された例もあり、このような場合には上記2薬剤を選択せざるを得ません。

日本医科大学第二内科が、五十嵐博中講師の努力により数年ぶりに独自のホームページを開設できました。謹祝。

2003.01.14(火)

インフルエンザの患者さんの数がじわじわふえています。これまでのインフルエンザと異なるのは、ワクチン接種が必ずしも発病を阻止できるわけではなく(他院接種の人で1名、当院接種の人で1名)抗原反応陽性の人が出ています。従って、「ワクチンを接種済みだから大丈夫」とは言い切れない場合があるようです。また、症状も千差万別で、例年のように発熱・悪寒・下痢・嘔吐などの症状が揃っていない例も多く、普通の感冒性疾患との判断が付きにくいこと、また、さらに抗原反応で陰性でも「念のため」抗インフルエンザウィルス剤を投与するとあっさり直ってしまう例もあることです。このため、一例一例の診察・説明に必要以上の時間がかかり、結構しんどい1日でした。

明日は、インターネット接続が停止した銀座みやび歯科のチェックをしなくてはなりません。いったいどうしたのでしょう?誰か、こういうトラブルを出張で解決してくれるエージェントはいないでしょうか。...って、自分がシスオペなんですよね。しくしく。

2003.01.10(金)
以前書いたように、日本医科大学北総病院のオーダリングシステムは本年初頭よりWindows2000ベースの新型に切り替えられています。小生にとっては、本日午前の外来が使い始めとなりました。実は、習熟するまで時間がかかると患者さんの診察に支障を来すのを心配し、予約を取りすぎないようにしておいたのですが、使ってみるとやはりGUI(マウスで操作できるユーザインタフェース)の恩恵で、以前のシステムの約1/3の手間で診療が進むことがわかりました。....てことは今までの倍の予約をこなせるってこと?あまり働きすぎるのもナンですから、今しばらくはこれまで通りのペースで行くことにします。

2003.01.07(火)

昨日書いた、インフルエンザ抗原反応キットの比較をまとめてみました。ご参考になれば幸いです。やはり、インフルエンザを高齢の方が発病するとかなり重症化するようです。どうぞご用心下さい。なお、ワクチンの接種はまだ可能です。

2003.01.06(月)

本年の通常診療が始まりました。インフルエンザの患者さんが診療時間終了間際に4人も見つかり、対応に追われました。インフルエンザ抗原反応を調べるキットを2種類使っていますが、どうも反応時間や使い勝手に差があり、いずれ両者の相違をまとめてみようと考えています。ちなみに、18都道府県でインフルエンザが流行シーズンに突入したという報道がありました。

2003.01.03(金)

1日の休日当番は50名以上の患者さんがみえました。カゼがほとんどでした。この一週間のお休みによる児童同士の隔離と今日の雨で少しは感染が減少するとよいのですが。ちなみに、院長とカミさんのの肩こりは寒さと雨天で悪化しています。診療室の理学療法機器を使おうにも暖房が切ってあるので部屋を暖めるのに数時間かかり、つい億劫になってしまい、「宝の持ち腐れ」状態です。

2003.01.01(水)

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。

本日は当院が休日診療当番となっております。がんばります


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