目々澤醫院 Daily News & Comments

 

バックナンバー

Sep/Oct 2003

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2003.10.31(金)

新宿の京王プラザホテルで、「Tokyo Ischemic Stroke Workshop」が大塚製薬の主催で開かれました。2例のディベ−ト形式の症例検討の後、東海大学神経内科の篠原幸人教授による脳卒中ガイドラインに関する特別講演がありました。いよいよ上梓まで目前に迫ってきている内容につき1時間という限られた時間の中でご自身のデータも交え、大変わかりやすくご説明いただきました。なかでも、脳梗塞初発例のうち、それ以前に無症候性脳梗塞を発症しておられた患者さんが約2/3もあり、そのうちラクナ梗塞が80%、アテローム梗塞が65%、心原性塞栓が43%もあったという事実が紹介されました。やはり、無症候性脳梗塞はきちんと経過観察する必要があることが再認識されました。立ち見が出るほどの大盛会でした。

北総病院の帰りに見つけたのですが、北総開発鉄道の新柴又駅の下にあるスーパーで「優勝おめでとうセール」が行われていました。『どこの、何の優勝?』ダイエー関連のお店でもないのに。また、小岩のイトーヨーカ堂ではなぜか『六甲おろし』のメロディーががんがん流されていました。ココ、去年はジャイアンツのおめでとうセールでしたが。目々澤醫院も何かあやかりセールでもやりましょうか。ワクチン半額?ご冗談。

明11月1日より、当院でもインフルエンザワクチン接種を開始致します。また、江戸川区の熟年検診は本年より11月いっぱいまで実施されております。どうぞご利用下さい。

2003.10.29(水)

校医をしている江戸川区立中小岩小学校(小生も卒業生です)が創立60周年を迎え、本日記念式典が行われました。出席された歴代の校長先生たちの中に、小生が6年生時代に担任をしていただいた小島敏郎先生を見つけました。当時と変わらぬ、キリッと背筋を伸ばしたお姿を見て懐かしさがこみ上げました。当時、悪さをして先生にきつくお叱りを受けた話をすると、「オレ、そんなに怖かったかァ」と。そうです、でも、そんな悪ガキたちをよく理解し、あるときは優しく、ある時は厳しくお導きいただいたのも先生です。だから僕たちがいつまでも先生を慕い、忘れないんです。

夜は江戸川区医師会で内科系臨床研究会がありました。今回の講師は昭和大学豊洲病院内科の田中一正助教授(ご著書)でした。「呼吸器疾患における運動療法」と題し、『肺の生活習慣病』とも呼ばれる、慢性閉塞性肺疾患(COPD:慢性気管支炎・びまん性汎細気管支炎・気管支喘息など)に対する呼吸筋ストレッチ体操の重要性につきご講演いただきました。講演の後、実際に指導ビデオをご供覧いただき、参加者全員が実際にトレーニングを行いました。『吸う』『吐く』のタイミングが難しい動作もありましたが、一本仕入れて待合室で流してみましょうか。

2003.10.25(土)

脳循環代謝学会総会の会場に出店していた本屋さんで見つけたのがこの本です。「キワモノかな」と思って買ったのですが、実は国立循環器病センターで修行されたお二人の先生たちが監修されたお話が3編、それぞれ心原性脳塞栓、アテローム血栓性脳梗塞(総頚動脈内皮剥離術)、進行性穿通枝梗塞をテーマとして掲載されており、しっかりした内容でした。

SCU(脳卒中ケアユニット)を日本医科大学千葉北総病院で神経内科+脳神経外科の合同で立ち上げながら肝心の千駄木の本院の方ではまだ実現せず、また東東京エリアでもそのような施設が実現できずにいる状況を見るにつけ、関西・九州・北海道地区の充実ぶりを見聞きするとうらやましい限りです。このような書籍が一般の人たちにSCU:脳血管障害救急治療の重要性を理解してもらう一助になればと思います。おすすめの一冊。

題名:脳血管救命センター物語、漫画:藤原稔裕、メディカルレビュー社、定価:1,800円。

もうしばらくしたら目々澤醫院の待合室に出します。

本書の133ページに、「(脳卒中と思われる症例を診たら)専門的知識が不十分なままに、安静や通常の点滴のみで時間稼ぎをするのは、よくありません。脳卒中専門医のいる病院へ、速やかに患者を紹介・転送すべきで、患者や家族から電話で連絡があった時点で、基幹病院を直接受診させることが望ましいでしょう。『まず自分が診てから』は得策とは言えません。」と、監修者の豊田一則先生が記されています。これは全く同感です。脳卒中発作:Brain Attackは、時間が勝負なのです。

OSX(10.3, Panther)になって何が嬉しいって、このページのカウンターがSafariでちゃんと表示されるようになったんです!...イケナイ、これはMacVaioのネタかも。

2003.10.24(金)

 

大阪・千里で開催された第15回日本脳循環代謝学会総会(会長は国立循環器病センターの山口総長:写真左)に参加してきました。毎年春に行われる脳卒中学会との差別化が課題の学会ですが、今回もいい演題が揃っていました。また、山口会長の会長講演はこれまでの脳卒中治療のあゆみから始まり、現在なされている最先端の研究・治療にまで話がおよび、「さすが」という内容でした。

また、小生が研究生活にあった頃、新薬の研究に用いられる実験動物が小さなラットやマウスに限定されかかっていたのが、最近は実際に人に使用した場合との差異が小さな大きな動物(ネコ・イヌ・サルなど)にシフトしつつあるなどの話題も興味を覚えました。こうした動物による基礎研究がなければ新しい治療は生まれず、さりとて動物愛護の見地からの問題もあり、今後の医療の進歩が順調にいくことを祈らざるを得ません。実際、小生がスウェーデンで研究生活にあった1990年頃に大きな期待が抱かれていたNMDA拮抗剤は、小動物での検討を終えて実際にヒトに使用が始まった段階で副作用の点でフェードアウトせざるを得ませんでした。

ちなみに、最近実用化され、日本国内で脳梗塞の急性期治療に大きな成果を上げているフリーラジカル消去剤がわれわれの学会レベルで是非が議論されていたのはなんと20年近く以前だったのです。ですから、この脳循環代謝学会総会のような基礎医学に重点を置いた臨床家による学会は非常に重要であるわけです。

阪神、3連勝してますね。

2003.10.22(水)

今日は税理士さんの往査がありました。おカネの勘定がうまくない二人(小生+カミさん)を前に、「法人会計のなんたるか」を丁寧に教えていただきました。また、これから頑張ります。

明日から大阪の千里で第15回日本脳循環代謝学会総会が開かれます。本当は今夜の評議員会も出席するはずでしたが江戸川区医師会の医療情報委員会のため日帰りに変更することになりました。今回の主幹は日本医科大学内科学付属北総病院でSCUを立ち上げる前にお世話になった国立循環器病センターです。

5-6月分7-8月分をバックナンバーに分けてページを軽量化しました。

2003.10.16(木)

今日も患者さんの多い1日でした。カゼひきのお子さんのほか、緊張性頭痛の初診の方が多かったようです(従って処方するクスリは同じになってしまいます)。「あれ、この処方30分前にも書いたなあ」なんて。

最近、久しぶりの患者さんとかかりつけの患者さんのお二人からメールがありました。久しぶりの方は現在入院して闘病中です。もうお一人はふるえのために先日追加したお薬の効果を知らせてきてくださいました。とても有り難いことです。ネットというメディアが徐々に人々の心をつなぐちゃんとしたツールになってきていることを実感しました。おふたりに、この場から改めてエールを送ります。

昨日の介護認定審査会で、あまりにもひどい記述の「医師の意見書」にでくわしました。こうした意見書を書くドクターにかかっている患者さんが気の毒になりましたが、逆に、意見書ごときに時間を割きたくないほど熱心に臨床を行っているドクターかも、という気もしました。でも、介護認定を受ける患者さんにとって、唯一状況を審査委員に伝えるツールが意見書です。やはり出来る限りの情報を盛り込むべきと考えます。これは、決して「なんでもいっぱい書く」とか「医学的記述を精密に」ということではなく、「患者さんの状況と要望を簡潔に」書き込む、と言う意味です。

2003.10.12(日)

いま、秋田の新玉川温泉で更新しています。岩盤浴やpH1.2(?)の温泉も味わっています。休みが明けるまでに充分充電して戻ります。それにしてもパワーブックのACアダプタを忘れてくるとは.......!!(実は帰りの荷物をまとめている時に見つかったりして.....)

2003.10.09(木)

ここ数日、お子さんを中心とするカゼがはやっています。しばらく前は、「運動会カゼ」と呼んでいましたが、周辺の小学校や幼稚園・保育園の運動会が終わってもなかなか収束しません。親御さんたちの中にもカゼを引き込む人たちが現れており、注意が必要です。

インフルエンザのワクチンが入荷しました。今シーズンはSARSの同行が不明で、できれば紛らわしい病態を示すインフルエンザにはかかりたくないものです。昨年のように「ワクチンをうってもインフルエンザにかかってしまった」というケースが出るかどうかまだ未知数ですが、まあ、とにかく皆さんに接する医者そのものはうっておかないわけにはいきません。そろそろうたれましょうか。

2003.09.29(月)

巷では、運動会の練習などでカゼひきのお子さんが増えているというのに、今夜の医師会夜間急病診療所の準夜はさほど混みませんでした。吐血が疑われた1番目の症例は、江戸川病院が快く転送を承諾してくれましたし、その他のカゼひきのお子さんたちはさほどの重症はいませんでしたし、のども自分でちゃんと開けてくれました。日中の診療で結構バテていただけに、「助かった!」というところです。ただし、あまり混むのも考えものですが、今夜のようにまばらだと時間を持て余してしまうのも事実ですね。ちなみに、ここ1週間の医師会準夜は10〜20人程度の「入り」でした。

いつも、こういう準夜の晩には、ノートPCを1台持ち込んで内職(といっても論文の原稿作り・MedPressの執筆やwebを眺める程度)をするのですが、今夜はPBG4を持ち込んだものの、せっかく用意したFOMA接続用のUSBケーブルを自宅に忘れてきてしまいました。というわけで、調べものを伴う原稿書きは出来ず、またwebを眺めることも出来ず、こうしていまこちらの文章を打ち込んでいます。まあ、ネットにつながれない現代のノートPCなんてほとんど一昔前のワープロ程度の代物ですね。もう1台のVAIO SRX3Eだったら、通信カードが仕込んだままなのでいつでもネットにつながるのに.....!12インチのPBG4にカードスロットを仕込まなかったAppleの責任は重い(最近発表された新型もそのまま)です!!

........と、医師会診療所で打ち込んだテキストデータを今、自宅に戻ってからサーバを経由していつものG4cubeからwebにアップを致しました(現在30日AM0:40です)。ははは。早く寝ないと。

2003.09.25(木)

江戸川区医師会医療情報委員会メンバーの西先生に同行して、日本医師会標準レセプトソフト「ORCA」の実際の稼働状況を拝見するため、本年1月よりORCAを導入している葛飾区医師会の平日夜間「こどもクリニック」まで出かけてきました。現状は特に可もなく不可もなく運用され、日常のメンテは遠隔操作で導入業者から行われているとのことでした。しかし、導入された本年1月の時点ではインフルエンザの流行で大混雑の中、まだ使い勝手のわからないレセコンを前にかなりの混乱状況だったとの説明も受けました。ORCAのメーリングリストでは、Mac OSX上の「X11」環境での稼働や、Lindows OS上での稼働なども報告されておりますが、やはり我々医療機関が日常の糧となる、実際の医療現場への導入のためには単純に医師が一人でPCを用意しオープンソースのソフトをインストールしたのではとっさの対応もままならぬため、どうしても導入には専門業者の介入がベターのようです。問題は、どの業者なら「大丈夫」か、この1点です。

当院のレセコンは、再来年の12月までリースが残っています。リース切れになるとサポートが怪しくなるのがこのギョーカイの常のため、次期機種はアタリをつけておかねばならず、できればそれまでに一度きちんと自分で標準状態の機体を仕立て、ひとしきりの操作を試す必要を痛感しました。いつまでもVine Linux on Macなどでウロウロしてられません。

2003.09.24(水)

江戸川区医師会内科系臨床研究会がありました。今回の講師は、杏雲堂病院リウマチ科部長の山中健次郎先生で、「リウマチ膠原病の臨床」と言うタイトルでした。豊富なご経験を元に、多くの写真と共にクリアカットな疾患のご説明をいただきました。また、新しいリウマチ治療のガイドラインについても触れられ、ステロイド剤や抗炎症剤よりも早期に抗リウマチ薬を使用開始するためのノウハウもご教授いただきました。たしかに、一般の内科医からは抗リウマチ薬(特に免疫抑制剤など)は敷居が高く、外来でポンポン出せるものではありませんが、実際に自分で「よそにかかりたくない」というリウマチの患者さんにマニュアル通り使用したところ、かなり有効だったことがわかっています。

2003.09.23(火)

この夏は、両国高校にからんだ集まりが2件、8月23日に3年A組のクラス会(担任の横田隆吉先生の写真展にちなんで)と、9月20日に新聞部同学年の親睦会がありました。また、先日のスウェーデン出張の折りの記念写真もありますので、恒例のアルバムにまとめてみました。どうぞご覧下さい。

我が家のウィルス騒ぎは、はやりの「blaster」ではなく、「w32.amigo.worm」でした。ところで、当院の玄関先のツバキの葉なども毛虫(これもwormですね)にやられてしまいました。どうしてもこういう害虫には対策が後手後手になってしまいます。皆様もご用心。また、季節の変わり目でカゼひきが増えています。衣服などでの温度調節はこまめに行いましょう。

2003.09.17(水)

本日は会合が2件ありました。

江戸川区介護認定審査委員会の研修会:本年春に介護度を決定する際の評価方法が改訂されました。具体的には、コンピュータがデータを元に介護度を判断する1次判定のソフトが書き換えられ、通常の介護を要する方たちのうち、「体の動きが悪い」ケースの判定が以前より厳しくなっており、審査委員会で調査員から上がってきたレポートと医師の書く「意見書」をもとに、2次判定を下す際に「充分な根拠」がないとこのコンピュータの下す1次判定からランクアップするのが出来なくなっており、この状況を約20組ほどある合議体間で差がないようにするための研修会です。つまり、データに基づく冷徹な「評価」と、人情を絡めた5人の意見をあわせた「判定」のせめぎ合いをどこで折り合いをつけるか、という検討会です。いつもは約1時間45分かけて約50-60症例を検討するのですが、今回はいつもは顔を合わせられない交代要員も総出動で言いたい放題の検討を行い、2症例を題材にいつもは言えないことまで徹底的に論議しました。

江戸川区医師会医療情報委員会:江戸川区医師会は、先日医療情報ネットワークのリニューアルを終えたばかりですが、この「EMねっと」に関するアンケート結果が出てきました。当院ではFTTHに変更したばかりで、まだ検査情報までは取得できていないのですが(こちらはActive Xで稼働しています)、それ以外のコンテンツ、区内の感染症情報だとか、配付資料の閲覧などはなかなか快適に見ることができます。アンケートでは、まだ新しいコンテンツがどうのと言った反応は見ていませんでしたが、「これまでの標準接続法のISDNからADSLや光ファイバー接続への希望」や、「Macintoshからの接続」などの希望があり、反対に「医学以外の勉強はしたくないのでコンピュータはいらない」などの声もあり、面白い結果でした。医師会に属するドクター(主として40台以降)らしく、回答者のうちコンピュータを有する会員の約20%がマックユーザーでした。きっと、最近の若いドクターたちだとWindowsユーザが増えるのでしょうか。院長は、どうしてもマック寄りになってしまいます。このアンケートを受け、「EMねっとでの検査予約を奨励する」などの「攻め」の活動を始めることが決まりました。

2003.09.04(木)

昨夜の雷雨はすごかったですね。さて、小岩地区でもJR小岩駅で停車中の電車への落雷があったとかの情報がありますが、3度ほど停電に見舞われました。結果、FTTHの常時接続回線はぶち切れ、WANのアドレスは新しいものになってしまいました。しかし、従前よりある、CATVによる回線は(ルータの方がダウンしたのはともかく)WANアドレスが保たれたままであることがわかりました。あなどりがたし、CATV。おかげで、銀座からのタイムレコーダ(サーバは小岩にあります)の使用に支障をきたしませんでした。

書き忘れましたが、昨日より日本医科大学メールサーバへのダイアルアップ接続が再開されました。関係者のご努力に感謝致します。

2003.09.03(水)

しばらくスウェーデン出張もあって更新をさぼっていたら、税理士さんにつっこまれてしまいました。祥子さま、ちゃんと更新致します。

はい、今回は、最初の2日(ストックホルム)と、最後の1日(コペンハーゲン)は純粋な観光でしたが、その間の3日間(8/27〜29)は懐かしいルンド大学の脳実験研究センター(ワレンベルグ神経科学センター内)で最新の研究成果を見せてもらっていました。カミさん(みやび歯科統括管理)は、マルメ大学の歯周病教室から先代アトストローム教授の分厚い冊子をもらったり、現職のブラッタール教授のご助言でスウェーデンでしか入手できない歯科材料を入手したりで大忙しでした。とはいえ、8月終わりのスウェーデンと言えばなんと言ってもザリガニパーティー。香草とともに煮あげたザリガニは美味でした。家族では、酢漬けニシン・ミートボールとかピッティパンナなどのお料理を楽しんできました。これらは日本国内ではなかなかオリジナルな味を味わえないメニューで、昨年1年間スウェーデンへ出向いていなかったため、かなり「飢えて」しまっておりました。やはり、いろいろな情報収集のためにも、年1回は「お里帰りも兼ねて戻らなければ」というところです。

この期間中、メールでお便りを戴いた患者さんたちには大変失礼致しました。コペンハーゲンにはいるまで、PCのダイアルアップ接続ができず、迅速なお答えが出来ませんでした。顛末はまた別のページで。

Maj-Lis Smith助教授宅でのパーティー。ごちそうさまでした。また、整形外科のStronbergご夫妻もかけつけてくださいました。


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