神経内科のあつかう病気
更新日:2005.06.05 |
●「神経内科」と聞いてピンと来ない方も多いかと思います。実は、脳・神経・筋肉の異常を診るのが神経内科なのです。
● 脳、脊髄、末梢神経、筋肉を侵す病気にかかっている可能性のある方を診察し、検査と治療を行います。例を挙げると、脳卒中、頭痛性疾患(片頭痛、緊張性頭痛、三叉神経痛、後頭神経痛)、めまい(内耳性・中枢性)、もの忘れ・認知症(アルツハイマー病・血管性認知症)、てんかん、パーキンソン病、多発生硬化症、脳腫瘍、末梢神経障害、筋ジストロフィー、多発筋炎、重症筋無力症などがあります。こうした病気の症状としては、頭痛、めまい、けいれん、ふるえ、意識喪失、物覚えが悪くなった、物が二つに見える、ろれつがまわらない、ご飯やお茶でむせる、手や足の力が弱くなった、字が書けなくなった、などの症状などがあげられます。
● よく、「心療内科と同じですか?」と聞かれることがあります。これは間違いで、心療内科は心の病で身体症状がでている患者さんを診る、どちらかといえば精神科に近い診療科となり、当院では診察できません。
● 片側のまぶたやほおの一部がピクピクとけいれんする「眼瞼痙攣・片側性顔面痙攣」も、神経内科の担当分野です。症状の度合いによって治療方法が異なりますが、軽症な場合は精神安定剤や抗けいれん剤などの内服治療を行います。これらの治療で効果不十分な場合、ボツリヌストキシン(Botox: ボトックス)の局所注入療法が選ばれます。当院はボトックス療法の認定医療機関です。これらの疾患に対して健康保険でボトックス治療をお受けいただくことが出来ます。
●脳卒中に関するページ:脳卒中は救急疾患です
日本では脳卒中が救急疾患であるという認識が一般的ではありません。脳卒中:Brain Attackは、心筋梗塞や不整脈などのHeart Attackと同様もしくはそれ以上に、専門医療機関に発症後短時間で運び込まれればかなりの改善が見込まれます。
「(脳卒中と思われる症例を診たら)専門的知識が不十分なままに、安静や通常の点滴のみで時間稼ぎをするのは、よくありません。脳卒中専門医のいる病院へ、速やかに患者を紹介・転送すべきで、患者や家族から電話で連絡があった時点で、基幹病院を直接受診させることが望ましいでしょう。『まず自分が診てから』は得策とは言えません。」:豊田一則先生(脳血管救命センター物語、メディカルレビュー社より)
倒れたご家族・あるいは患者さんたちを目の前にするとどうしても「医師の往診を」と思われるのは当然のことです。しかし、こうした脳血管がらみの発作は1分1秒をあらそう救急事態です。まず、救急車を呼び、そののちかかりつけ医師までご連絡を。収容先へは医師からこれまでの治療歴などのご連絡を行います。
4)脳卒中の危険性(Memezawa Med Press 009)
5)長嶋監督を突然襲った脳梗塞(Forbes 2004年6月号掲載)
6)脳梗塞における血液凝固異常:治療法選択のための基礎知識(東京都立荏原病院 神経内科 長尾 毅彦先生)
●頭痛に関するページ
1)片頭痛薬の登場(2001.6.28)
2)片頭痛薬は本当に効くのか?(2002.10.11)
3)トリプタン剤登場以後の片頭痛治療成績:第20回江戸川医学会発表(2002.11.10)5)
4)頭痛 update 2004:江戸川区医師会検査センターニュース(2004.09)
5)頭痛けんこうフォーラムご報告(2004.09)
●もの忘れ・認知症に関するページ
1)どんな「ボケ」があぶないか(Memezawa Med Press 007)
2)物忘れにも『警戒レベル』あり(日経ビジネス 2003年4月号掲載)
●ふるえに関するページ
1)手足がふるえる時どうしますか?(Memezawa Med Press 010)
●めまいに関するページ
1)内科診療に役立つめまいの臨床(日本医科大学付属第二病院 耳鼻咽喉科部長 青木 秀治助教授)
●専門医療機関の作った神経疾患サイトのご案内:
●大学病院や公的病院の作成した責任あるサイトを選びました。
脳卒中が起こったら(国立循環器病センター):日本医科大学附属千葉北総病院のSCU設立の際お世話になった峰松先生が書き下ろしておられます。
ご長寿よろず診察室(日本医科大学付属第二病院神経内科助教授・北村 伸先生)第二内科の先輩です。脳神経の老化による症状とお年寄りに多い脳神経の病気について例をとってわかりやすく説明してあります。ぜひご覧ください。
睡眠時無呼吸症候群(日本医科大学第4内科):純粋な神経疾患ではありませんが、お悩みの方々も多いと思います。ご覧下さい。
三品雅洋先生(日本医科大学千葉北総病院):PETを利用した神経疾患の研究を進めているのが三品先生です。千葉北総病院脳神経センターの激務の合間によくこれだけの研究をなさっていると頭が下がります。パーキンソン病のメカニズムのわかりやすい解説が出ています。先生のブログもあります。
明るく生きるパーキンソン病患者のホームページ:パーキンソン病友の会のページです。医師の側から見てもはっとするような指摘も載っています。
全国慢性頭痛友の会:1988年に発足した頭痛に悩む人たちを結ぶホームページです。詳しい内容におどろかされます。
●日本神経学会作成の「神経内科の主な病気」のページ
神経疾患によくある症状・代表的な神経疾患についての解説があります。
日本内科学会:院長は本学会の認定医です。
日本脳卒中学会:院長は本学会認定の「脳卒中専門医」です。また、本学会の評議員でもあります。
日本脳循環代謝学会:院長は本学会の評議員です。
日本頭痛学会:内容は上記頭痛サイトの方がましです。
日本老年精神医学会:特に老年痴呆に関するテーマを扱う学会です。老年精神医学会専門医のリストが掲載されています。
●自社製品の押し売りでないページを集めてみました。治療施設の個人的意見のバイアスがかかっていないだけよいかも。
●専門診療の医療機関を検索するページも加えました。
ふるえの病気(NHKエデュケーショナル):本態性振戦の解説の他、診療の出来る医療機関のリストが掲載されています(当院も掲載されています)。
パーキンソン病(ファルマシア):患者さん向け・医科向けのページに分けてわかりやすく解説されています。
痴呆症を、あきらめない(エーザイ、ファイザー製薬):抗痴呆薬、アリセプトの販売元です。わかりやすい内容です。
SheSmile.net:女性向けの頭痛に関するページ。ソフトな内容でわかりやすく頭痛の知識が得られます。
アディタスジャパン(アストラゼネカ):片頭痛の問診表の標準化をめざしています。頭痛に関するリンクも充実しています。
スッきりんのバイバイ頭痛講座(ファイザー):これも頭痛に関するページ。
頭痛医療機関サーチ(Dr.ナビ):頭痛診療のできる医療機関を検索するページです(当院も掲載されています)。
ALS LIVE TODAY FOR TOMORROW(アベンティスファーマ):筋萎縮性側索硬化症をわかりやすく解説したページ。認可されている唯一の治療薬、リルテックの販売元です。
ボツリヌストキシン療法研究会:片側性顔面痙攣・眼瞼痙攣に対する、ボツリヌストキシン(Botox: ボトックス)療法について解説しています。なお、当院はボトックス療法の認定医療機関です。これらの疾患に対して健康保険でボトックス治療をお受けいただくことが出来ます。